ただ好きで、ただ会いたいだけだった――わかば銀行の支店から一億円が横領された。<br />容疑者は、梅澤梨花41歳。<br />25歳で結婚し専業主婦となったが、子どもには恵まれず、銀行でパート勤めを始めた。<br />真面目な働きぶりで契約社員になった梨花。<br />そんなある日、顧客の孫である大学生の光太に出会うのだった……。<br />あまりにもスリリングで、狂おしいまでに切実な、傑作長篇小説。<br />各紙誌でも大絶賛された、第25回柴田錬三郎賞受賞作、待望の文庫化。<br />