前漢の中国。<br />匈奴より河南を奪還し、さらに西域へ勢力を伸ばそうと目論む武帝・劉徹は、その矢先に霍去病を病で失う。<br />喪失感から、心に闇を抱える劉徹。<br />一方、そんな天子の下、若き才が芽吹く。<br />泰山封禅に参列できず憤死した父の遺志を継ぐ司馬遷。<br />名将・李広の孫にして、大将軍の衛青がその才を認めるほどの逞しい成長を見せる李陵。<br />そして、李陵の友・蘇武は文官となり、劉徹より賜りし短剣を胸に匈奴へ向かう――。<br />北方版『史記』、激動の第四巻。<br />(解説・池上冬樹)