立場茶屋おりき
佃煮屋田澤屋の隠居・おふなの食が、このところ極端に細っているという。
おふなは齢八十三。
梅とんぼ(漁師)の女房だったが、糟喰(酒飲み)の亭主に頼ることなく佃煮作りで身を起こし、一代で店の基礎を築いた。
不遇の時代を経て、息子夫婦と共に暮らすいま、思い残すことはないと言う。
そんな彼女のお見舞いに立場茶屋おりきでは、松茸ご飯、八幡巻、栗と銀杏の蜜煮などを詰めた特製の竹籠弁当を届けることに……。
立場茶屋おりきに集うそれぞれの人生模様を、滋味豊かに描き切る傑作人情時代小説、シリーズ第十六弾!
更新中です。しばらくお待ちください。