北海道の小さな町に移住した絵描きの守谷順一と妻の久美。<br />そこで穏遁生活をおくる、隣人で農場主の円城夫妻との出会いが、彼らを退廃と官能とを狂気の渦のなかへ引きずり込んでいった。<br />森から聞こえてくる死滅したはずの狼の叫び、そして少女の失踪事件。<br />いつしか順一は、円城に狼の姿を重ねあわせるようになっていった。<br />狼をめぐる恐怖をテーマに二重視点で描く、ホラーミステリーの傑作!