―ただ、それだけの理由
鉄男は父親から譲り受けた自宅を改造して弁当屋を営み、四年になる。
アルバイトとして、父親の内縁の妻、寿美恵に手伝ってもらいながら、幼馴染のジョニーや誠、地域の人々に支えられ、新しいメニューの開発だけを考え、暮らしていた。
妹のちいこから、21年前、8歳のときに、家出した母親との再会を訴えられているが、心の整理がつかず、一切、相手にしていなかった。
ある出来事をきっかけに、封印していた母親への感情が溢れ、それ以来、母親の存在が鉄男のなかで大きくなっていく。
母親に向き合うことは、母親の空白の21年間を知ること。
揺れる想い、明らかになる鉄男のなかの愛と夢。
そして、最後に鉄男が選んだ未来は‥‥‥。
更新中です。しばらくお待ちください。