「六花」 人生交差点第二部「めぐり逢い」
「このことは、けっして誰にも言っては駄目よ。
いい? これだけは約束してね。
もしも誰かに話したら……。
たとえ親友でも、恋人でも、どんなに親しいひとにもね。
話したら、あなたを絶対に許さないから」高校生の鹿島真一の唇に指を当て、そう告げた六花。
ぞっとするほどの怖い目つきに圧倒された真一だったが、彼女と誰にも口外しないことを誓って別れた。
だが十年あまりの歳月を経て、あの情熱を込めた約束を破ったとき、真一はいままで築いてきた幸せが、儚く脆いものだと知ったのだった。
愛にすべてを捧げた女の、哀しく切ない想いを紡ぐ、現代に蘇る「雪おんな」の物語。
表題作「六花」ほか、真一に関連する短編三作品を収録。
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