映画監督としても注目されるペマ・ツェテンの小説家としての魅力、そしてチベット文学の魅力を伝える作品集。<br />草原に暮らす羊飼いの家族たち。<br />その穏やかな生活のなかにある、秘められた葛藤と孤独を描く表題作「風船」のほか、仏教的世界観と近代的価値観が混じり合う現実を生きるチベットの人々をユーモラスに、幻想的に、時にリアリスティックに描いた短編6作品を掲載。<br />ほか、自伝的エッセイと、訳者解説も所収。<br />