洒脱で晴朗なおしゃべり。<br />出世作となった「暢気眼鏡」以下一連の貧乏ユーモア小説から、身辺な虫の生態を観察した「虫のいろいろ」、そして老年の心境小説まで、尾崎一雄(1899-1983)の作品には一貫して、その生涯の大半を過した西相模の丘陵を思わせる爽やかな明るさがある。<br />代表的な短篇15篇を編年順に収録。<br />