イタリアの寒村に生まれ育った私生児の〈ぼく〉は,下男から身を起こし,アメリカを彷徨ったすえ,故郷の丘へ帰ってきた――.戦争の惨禍,ファシズムとレジスタンス,死んでいった人々,生き残った貧しい者たち……そこに繰り広げられる惨劇や痛ましい現実を描きながらも美しい,パヴェーゼ(1908-50)最後の長篇小説にして最高傑作.