サクラクエスト エピソードゼロ
●花も恥じらう十七歳の私が、なんでお見合いなんかしなきゃいけないの!? 婿養子をとって家業を継ぐなんてナンセンス! 苛ついていた私の魂を捉えたのが、あのギターの音だった。
無秩序で破壊的な音階の羅列。
それは、音楽というより、叫びだった。
ロックだ。
私は、ロックバンドをやる!(織部’OLIVE’千登勢vo/bass)――●やり場のない怒りを何かにぶつけたくて、ノートの端に詩を書き殴った。
それは、嫉妬と羨望と怒りの詩だ。
美しい田園風景も見慣れれば退屈なだけだ。
この気持ちをもっとぶつけたい。
だけど、どうやって? そうだ、音楽だ。
音楽なら、言葉の壁も国境も越えて世界中に伝わるんじゃないか? 音楽だ。
音楽しかない!(門田’BEEF’丑松vo/g)――●あいつら二人が同じタイプの人間だってことには気づいていた。
優等生とただのバカ。
だが、根っこは同じ魂の持ち主だ。
そんな二人を混ぜ合わせればどんな化学反応が起こるか。
最初は実験観察のつもりだった。
まさかオレまでバンドに引き込まれるとは。
大学に合格したオレは間野山を出る。
二人も一緒に。
決行はみずち祭りの夜。
桜の咲く季節だ(毒島’POISON’伝次郎dr)
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