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英雄魔導船

日本のとある町。
どこにでもいる普通の高校生・如月祐二のもとへ、とある人物がやってきた。
「パンパカパーン! おめでとうございます、祐二様! あなたは厳選なる抽選に選ばれました!」「なんの話ですか? とても胡散臭いんですけど」 統括会の職員と名乗る比企嶋慶子は、祐二に海外への大学推薦の話を持ってきた。
「この推薦を拒否された場合、総理大臣が直接説得に来るそうですよ。
もしそれでも断るなら、『かしこきあたり』にご登場願うことになるでしょう」「なんですか、その畏れ多い話はっ! そんなの、絶対に止めてくださいね!」「では、推薦を受けることでいいですね!」 同じ頃、ドイツ貴族のカムチェスター家では、船長をテロで失い、魔導船が自壊の危機に瀕していた。
数年のうちに、何としても新たな船長を見つけなければならない。
だがカムチェスター家の血を引き、高い魔力を保持する者など、簡単に見つかるものではない。
叡智の会、巨大企業ゴラン、栄光なる十二人魔導師の子孫たち、テロ組織ヘスペリデス、バチカンの異端審問委員会、投資家企業連合のダックス同盟、アルテミス騎士団……各団体がそれぞれの思惑のもと、世界は危うい均衡の中で成り立っていた。
魔導船を駆る魔法使いたち、地球を脅かす侵略種との戦い、魔導船が見つかったとされる『はじまりの地』……これはのちに、『英雄魔導船』と呼ばれるようになる一隻の魔導船と、それにまつわる人々の物語である。




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