さん ささーん。<br />わたしは、波。<br />波の1日は忙しい。<br />朝一番で船を沖へと送り出し、さざ波で泣く子をあやす。<br />いたずら小僧と鬼ごっこした後は、海水浴で賑わう浜辺で大はしゃぎ。<br />昼下がり、まどろみから目をさましたら。<br />海ってほら、不思議な出会いがあるでしょう。<br />あなたも海へ来れば、きっとわかるはず。<br />そして、夕陽が沈み、闇がきて、満月が顔を出すとき…? 海の町で育った注目の新進作家・阿部結が、詩情豊に描き出す、やさしく、美しい海の絵本。<br />