元自衛官の村主雅哉は、残虐な殺人事件により恋人の雪乃とその家族を失った。<br />犯人は二十歳の男で、危険運転を咎められたゆえの身勝手な犯行だった。<br />村主の怒りは、犯人、その妻、そして彼らの一歳の息子へと向けられる。<br />接触を果たした村主、そして──。<br />機能不全家族に生まれた人間が悪果となることは、定められた運命なのか。<br />「第5回草思社・文芸社W出版賞」文芸社金賞受賞作、堂々刊行。<br />