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雪の朝の約束

「頼んだぞ、約束だ」目を見て頷いた。
優しい目で父は、よしよしというように二度頷いた。
一年経った祥月命日の頃には、私の生活は父が生きていた頃とほとんど変わらない毎日に戻っていた。
しかし、時々はふっと思い出す。
あの時、父は私に何を頼んだのだろうか、父と何を約束したのだろうか。
葬儀の日に大人たちが私に言ったこととは違う、何か特別の大事な約束だったのではないかと。
第3回人生十人十色大賞長編部門最優秀賞作品。




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