1/20 チーム ロータス タイプ 88B 1981
1979年にチーム・ロータスはタイプ80でポーパシングという車体が上下に激しく震動する問題に直面。
ピーター・ライトは、ダウンフォースを発生するボディと、シャーシとを分けたツインシャシー構造という対策を考案しました。
翌年にテストカーのタイプ86でその効果を確認したライトとマーティン・オグルヴィーは、この結果をもとに1981年用マシン、タイプ88を開発しました。
ツインシャシー構造というのは、ダウンフォースを発生するボディ部分がプライマリーシャシー、従来のシャシーがセカンダリーシャシーと、二つのシャシーを備えていたからでした。
レギュレーションではシャシーは可動するサスペンションを備えたものとされていたので、タイヤへダウンフォースを伝えるための小型サスペンションが付いていたボディ部分もシャシーと解釈できたのです。
このプライマリーシャシーは、走り出すとダウンフォースで下がり、1981年から導入された「静止状態での最低地上高6cm」という規定をクリアしながら、走行中には大きなダウンフォースを発生できました。
タイプ88のセカンダリーシャシーはF1史上初のカーボンコンポジットモノコックでした。
ノーメックス製ハニカムをカーボンファイバーとケブラーでサンドイッチにした軽量で高剛性なモノコックは、チーム・ロータスが独自に開発、製造していました。
タイプ88は1981年にロングビーチGPブラジルGP、アルゼンチンGPにエリオ・デ・アンジェリスのマシンとして投入されましたが、出走禁止にされました。
チーム・ロータスでは、タイプ87で戦う一方で、タイプ88のBスペックを準備していました。
このタイプ88Bは、ラジエーターの装着位置がセカンダリーシャシーからプライマリーシャシー側に移され、プライマリーシャシーのサスペンションも改良されていました。
イギリスGPには、スペインGPから復活した黒いカラーリングとしたタイプ88Bがデアンジェリスとナイジェル・マンセル用として投入されました。
タイヤもグッドイヤーに変わりました。
しかし、車検は通ったにもかかわらず、またFISAによって出走を禁止されてしまいました。
この裏には他チームがツインシャシーの性能を危惧して抗議したことや、当時のF1での政治闘争の影響もありました。
タイプ88と88Bは実践でその実力を発揮できませんでしたが、カーボンコンポジットシャシーでF1のみならず自動車技術に大きな進歩をもたらしました。
タイプ88は2台ともBスペックで現存し、近年のヒストリックイベントで活躍してツインシャシーコンセプトの正しさも実証しています。
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