※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。癒しを求めて沖縄へ一人旅に出た。石垣島から入り、竹富島、西表島、宮古島、那覇というルートである。歌と踊りと泡盛の、にぎやかなイメージの沖縄だが、私の意識はひどく冴えており、カメラのファインダー越しには、静かな沖縄の自然や生活が映し出されていた。南国の太陽に元気をもらい、自分を包み込むかのような大きな海に無限を感じる。 山の緑に癒しを感じ、人々の営みに安らぎを覚える。 舗装されていない黄土色の小道に、赤いハイビスカスが咲き誇る。ブーゲンビリアは私に挨拶し、砂浜に打ち寄せるやわらかな波が笑う。この旅は、夢か幻だったのか……。その後、何年経ってもこの島が、私の記憶の中に静かに座り続けている。