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ハリドワール

【齋門富士男 撮影記】バラナシに2週間近く滞在していたら、飽きてきたのでハリドワールというところに行ってみた。
デリーまで汽車に13時間あまり乗り、その後ギュウギュウ詰めのバスで6、7時間。
遠い!ハリドワールについては、ガンジス河の源流であり、神々の住む山地への入口と観光ガイドブックの乏しい知識だけ。
ものぐさというのもあるが、先入観なしの方がストレートに感じることができる気がして、あまり下調べなどはしないのが、いつもです。
後でなにかの媒体などで、「へえ、こんなところがあったんだ、残念だなぁ」と少し思う時もあるが、それもまた出会った場所や人が、その旅の縁と思っている。
ハリドワールのガートは着いた途端、なにか得体のしれないムンムンとした熱気が迫ってきた。
「ここは撮りたいことがあるに違いない」。
そういう、ピンとくる場所に出会うと、心が踊り、歩くのも速くなる。
広く大きな河を大勢のインド人が取り囲んでいる。
そして祈っている。
その中に入り込み、人々の顔つきを見ると、街の匂いのするバラナシやデリー、ジャイプールなどで出会った人と違い、土着的な色が濃く、荒々しいパワーを放っている気がした。
一番先に見に飛び込んできたのは岸辺に一列にならんでいる、手や足のない、物乞いの男たちや子供。
そして、もの売りの女性、サドゥ、寝転がっているおじさん。
着飾った女性。
インドはどこもかしこも、やっぱり人だらけだなぁ。
歩きざまに、ガンガン写真を撮りまくりたいところだけれど、突然、カメラを向けて拒否をされると、周りの人もNOだ。
知らない森に迷い込んだ動物のように、慎重にとソロリソロリ進むのが肝心。
撮りたい人のそばに座り込み、少し話をしたりして打ち解けたら、両腕に抱きかかえていたカメラをゆっくりと向け、「いいよ」というサインを待つ。
やがて、誰か一人が写真を撮ることを受け入れてくれると、みんながOKサインを出してくれるようになったりする。
まずは準備運動さながらに、人ごみをふらふら歩きながら、パシャ、パシャとシャッターを切ってみる。
それから真っ先に気になった、赤いシャツを着た少年にゆっくり近づいた。
片足がひざの下から無い。
レンズの向こうには、まっすぐにこちらを見つめる瞳があった。
気負いも曇りもなく、そこで物乞いをすることへの卑屈さも感じられなかった。
彼らを撮ることの後ろめたさも、その少年を撮った瞬間に、吹っ飛んだ。
「彼らも、現実のインドだ」それからは朝から晩まで、彼らと一緒にしゃがみこんでは、撮り続けた。
撮りたいと思った対象を撮ることが出来て、なんか幸せになった。
というか、彼らにもらった。
乾ききった喉が癒やされていく。
3日目にはガートでお祈りをするサドゥ達の集まる小屋に招かれ、写真を撮ることができ、チャイをごちそうになった。
ハリドワールにいたのは、わずか3日。
もっと滞在したかったが宿がとれず、リシュケシュに移動した。
カメラをかかえている、一人旅のオジサンに、野宿は禁物!




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