【ノンフィクション・ドキュメンタリー】タグの実用書
私たちの人生を本当に豊かにするのは、「遠くのオリンピック」ではなく、「近くのチーム」である! 野球、サッカー、バスケット……スポーツの世界は一極集中から地方展開へ! かつては、「地元にプロスポーツチームがある」のは大都市圏に限られていた。ところが現在では、全国ほぼすべての都道府県に「地元を本拠地とするプロスポーツチーム」(野球、サッカー、バスケット、アイスホッケーなど)が存在する。この画期的な状況は、何を物語るのか。格差研究など、経済データに基づく社会分析の第一人者が、「中央集権から地方分権へ」という日本社会のキーワードに重ね合わせつつ、その意義を多方面から分析する。
欧州と中東の国連機関を渡り歩き、世界の難民保護に深く関わってきた著者は、シビアな競争社会でもあった二八年間のキャリアを通じ、自己の価値を高め、ポジションを上げながら、世界の公益に貢献するプロジェクトを実現させてきた。曰く、きわめて政治的な組織でもあった国連を生き抜く支えとなったのは、「世界で困っている人の役に立ちたい」という信念だった。本書は、世界に伍して<戦った>著者の仕事術と生き方論である。グローバル社会を生きるために必要な力、知恵とは何か。次代の日本人に有用な技術や視点を提供する。[国連パワーエリートの仕事と生き方の流儀]○人の役に立つために、まずは自分を知る○与えられた仕事を超える○最初の100日で成果を出す○上司を管理する○組織内の紛争からアイディアは生まれる○権力の行使を恐れないetc.
文化(アート)は都市再生に多大な影響を与えるものである。しかし、アート単独、特に現代アートによる地域復興には限界がある。アトラクティブな美術館の建設やアートイベントは一時的な集客であり、その地に住む人々にとって真に魅力的な地域となるかは別問題だ。都市の再生や復興は、もともとそこにある文化や歴史、人々の営みを無視して成すことはできない。本書では、金沢、岡山・瀬戸内エリア、前橋、大阪、ヨーロッパ、香港など、国内外のケースを参考にしながら、アートと都市の関係性を考える。現代美術家の会田誠、フランスの元文化大臣ジャック・ラングとの対談も収録。
――サイバー麻薬王が築き上げた恐るべき犯罪帝国の全貌とは?―― それは、数億ドル規模の米オンライン薬局事業から始まった…。海を渡る北朝鮮の覚せい剤とコロンビアのコカイン、金の延べ棒がうなる香港の隠れ家、イランとの武器取引、ソマリアの傭兵軍団、フィリピンの暗殺者たち、アメリカ政府でも破れない高度な暗号化プログラム…。すべての背後で糸を引く「魔王」の正体は?〈MCU〉のルッソ兄弟がドラマ化を即決した、想像を超える犯罪ノンフィクションの新時代を告げる一冊。
江川や松坂のような怪物は、もう生まれない。江川卓(作新学院)や松坂大輔(横浜)、吉田輝星(金足農業)のようにひとりで甲子園のマウンドを守り抜く怪物や、荒木大輔(早稲田実業)、桑田真澄(PL学園)のように、1年生から名門校のエースを張るスターは、もう生まれない――高校3年生にして球速163kmを記録し、プロ野球選手としての将来を嘱望される「令和の怪物」こと佐々木朗希(大船渡高校)。甲子園出場が懸かった岩手大会決勝では、連投による故障を避けるため、監督が「登板回避」の決断を下す。‘投げない怪物’がベンチから見守るなか、チームは大差で敗れた。19年夏の岩手大会に密着した著者は、佐々木の登板回避の裏側に迫るとともに、直後の令和最初の甲子園で異変が起きていることに気付く。高校野球は、これまでと全く違った姿のものに変わろうとしていた。強豪校の監督、選手、OB、昭和・平成の怪物を見出した伝説のスカウトらに取材を重ね、その異変の正体に迫る。高校野球の現場で、いま何が起きているのか?
【内容紹介】本書は、1998年の創業から現在に至るまでのテンセント20年の歩みを、CEOの馬化騰(ポニー・マー)をはじめとする創業メンバーたちの姿を通して描いたノンフィクション。最大のライバル・アリババをはじめとする多くの中国IT企業との壮絶な戦いが赤裸々に描かれ、中国ITビジネスを理解するには最適のテキストと言える。中国IT企業の存在感が世界的に高まり、その一挙手一投足に注目が集まる現在、そのリーダー的存在であるテンセント躍進の背景を余すところなくつづった本書(テンセント唯一のオフィシャル社史『テンセント伝』の完全翻訳版)は、中国ビジネス関係者だけでなく、多くのビジネスパーソンにとって必読である。【著者紹介】[著]呉 暁波(ウー・シァオボー)著名ビジネス作家。「呉暁波チャンネル」主催。「藍獅子出版」創業者。中国企業史執筆や企業のケーススタディに取り組む。著書に『大敗局』(I・II)、『激蕩三十年』、『跌蕩一百年』、『浩蕩両千年』、『歴代経済改革の得失』など。著作は『亜洲周刊』のベスト図書に二度選ばれる。[訳]箭子 喜美江(やこ・きみえ)中国語翻訳者。ビジネス全般、時事経済、学術研究論文・資料等の実務翻訳および訳文校閲、連続ドラマやドキュメンタリー等の映像字幕翻訳など、幅広い分野の翻訳に従事。サイマル・アカデミー東京校中国語翻訳者養成コース非常勤講師として後進の育成にも携わる。東京外国語大学中国語学科卒。訳書に『謝罪を越えて』(文春文庫)。
おうち遊びや幼稚園での過ごし方からお稽古事や家庭学習に関すること、中学受験・大学受験についての相談はもちろん、2020年から義務化される小学校の英語教育や新たに導入される大学入試共通テストに関すること、大学を卒業したあとの子どもとの関わり方についてまで、奈良の合格ゴッドマザーこと佐藤亮子氏が100のお悩みに回答します。
事実が小説よりも面白い、というのは間違いだ。小説のように面白い、と考えるのが正当ではないか。作家の自負心から、小説という虫メガネで事実をとらえてみたいと志した著者が、札幌の屋台、元横綱の断髪式、温泉場の芸者さん、能古島の愉しい漁師、シンガポールのラッフルズ・ホテルなどをたずね歩いた、出色の読みもの12編。奇なる事実の背後にある小説的なおもしろさを、作家の自負をこめ作家の目で捉え、ユニークな題材に挑んだルポルタージュ!
霊長類は、食物が豊富な森林という楽園で、進化してきた。この生態的背景が、元来は植物食であった霊長類に、肉食獣的性質をも内包するという、二面性を持たせた。この傾向を強くおし進めたのが人類で、草食獣的性質が善の範疇に入る徳性を生み出し、肉食獣的性質が悪の範疇に入る行動を創造することになった。森林を舞台に進化した霊長類ゆえ、人間がサルから背負ってきた悪の原罪とは? 人間、この不思議な生物の進化の源流!
官僚再編時代を迎えた今、「霞が関帝国」をめぐる覇権争いは、ますます激しさをましている。水面下で展開される高級官僚の新しい動きと狙いは何か? 許認可権と補助金行政をテコに、日本を裏から操りつつ、天下りと利権の蜜に群がる、新エリート集団の実態をえぐる。背広の下の発想、政官民で築く覇権と利権の動きを、綿密な調査で明かす力作。
2015年出版、「私は、ありのままで大丈夫 Rules of Elsa & Anna」の文庫サイズ版。 『アナと雪の女王』の名シーンや名セリフを分析し、完璧じゃない他人と完璧じゃない自分を、引き受ける勇気に気づける本。大好きな姉に拒まれ続け、寂しさのあまりに危ない恋に走ったアナ。本当の自分に背を向け、逃げ続けてついに爆発したエルサ。彼女たちは自分との付き合い方に悩みつづけてきた、私たちとそっくり。だからこそ、勇気を持って姉を愛し続けるアナと、理解者を見つけて愛を再発見したエルサを見ると、感動して涙を流します。この本を読み、エルサとアナと一緒に、「自分と自分の人生を大切にすること」を学びましょう。美しい絵本風のアートも入れて、眺めるだけで「アナ雪」の雰囲気をたっぷり味わってもらう素敵な1冊。 1アナの章 2エルサの章 3アナとハンスとクリストフの章 4アナとエルサとオラフの章 5アナとエルサの章
〇仰天!国家プロジェクト〇探訪!万葉仮名ワールド〇古代の歴史が透けて見える〇恋の歌に知性キラリ〇万葉人に共感……5つの視点で、奥深い「万葉集」を味わい尽くす。日本人として生まれた以上、万葉集というすごい財産に見向きもしないで生きて、死んでいくのは、非常にもったいない! いろいろ読むより、この一冊で! 令和の時代だから知っておきたい教養。万葉集は国民のお宝!
「KKニッポン」の裏側に発生した諸事件……ことに、眼に見えない企業犯罪の、代表的な25例を徹底究明する。戦後の日本経済が醸成した「政経癒着」による汚職は、きわめて構造的なものといわれる。なにゆえにそうなのか。もはや等閑視してはいられない。日本の特異な企業風土の病理を解明し、その脱出口を探る! なぜ「企業汚職」が発生するのか?
三河島事故の真の責任者は誰か? そのとき電車運転士は、意識がないまま刺戟に応じて行動する「自動人間」ではなかったのか? 160人もの犠牲者を生んだ二重衝突事故をつなぐ五分間の空白に、何が起こったか? 有罪にされた運転士の行動の謎に、そして事故の真相に、脳神経外科医が医学のメスを入れ解明する、ドキュメント力作。
情報化社会の裏側で激増している、コンピュータ犯罪の怖るべき実態を、克明にレポートする。ハッカー、ウイルス、ソフト泥棒など、巧妙な〈見えざる手〉が仕組む犯罪に、あなたはどう対処するのか? 身近なカード操作から、中枢のシンクタンクにまで忍びよる手口を洗い出し、頭脳を駆使しての見えざる犯罪の手口と防止にむけて安全対策を考える、必読の処方箋!
文学の長い歴史のなかで成長を続けた小説ジャンルといえども、20世紀になるとその地位がゆらぎ、あたかも生命体のごとくに、老化衰退の様相を呈し始める。その間、自伝ジャンルは、「私」のイメージの拡大とともに、目ざましい急成長をとげる。本書は、自伝ジャンルこそ20世紀文学の中核的位置を占めるものである、という主張を基軸に執筆された、著者畢生の自伝論である。芸術選奨受賞作。
日本人であることを一枚一枚削ぎ落とされてゆく一世。多民族国家ブラジルに根を張ろうとする二世、三世。そして四世たち……。移民の野村峯夫一家が苦闘の末、やがてテーラ・ローシャの大地にゆたかな実りをもたらしてゆく足跡を、たしかな筆力で書きあげた渾身の力作。第13回講談社ノンフィクション賞受賞。明治政府によって推進された南米への移民政策の光と影を、日系4世の妻の一族の夢と挫折の軌跡を克明に追うことで解明。移民とは棄民ではないかと問う!
華麗なステップ、卓越した戦術眼と、創造力あふれるプレー! 京都・伏見工高、同志社大で全国制覇。神戸製鋼では、不滅とされた新日鉄釜石に並ぶ、日本選手権7連覇に貢献した、平尾誠二――日本ラグビー再建の切り札として、世界の壁に果敢に挑み、日本ラグビーを変えた。天才ラガーマンの栄光と挫折、その全軌跡をたどる、白熱のスポーツ・ノンフィクション。<『平尾誠二、変幻自在に』改題作品>
日本は世界屈指のギャンブル大国だ。パチンコ・スロット、競馬、競輪、競艇、そしてカジノ…ギャンブル症者は、国内推定320万人と目されている。親の貯金や年金、自宅がなくなってもやめられず、さらに借金が増え続けるというギャンブル依存。いかに地獄から這いあがるのか。文庫化に際し、カジノの危険性など最新情報を大幅加筆。現役精神科医の著者が、全国民に警鐘を鳴らす緊急レポート!
テレビがまだ白黒の生放送だった時代から半世紀余り、人生を放送台本書きに捧げた放送作家の‘極’私的放送史『夢であいましょう』『8時だヨ!全員集合』『ビッグショー』『小沢昭一の小沢昭一的こころ』……あの人気番組、あのスターの秘話満載「放送番組にはいったい何ができるだろうか」そのことを生涯追い求め、86歳で逝った放送作家一期生による最後の記録【本書に登場する著名人たち】永六輔、中村八大、坂本九、伊藤素道とリリオ・リズム・エアーズ、ザ・ドリフターズ、黒柳徹子、杉村春子、高峰三枝子、高峰秀子、キャンディーズ、山口百恵、桜田淳子、森昌子、加山雄三、石原裕次郎、小林旭、鶴田浩二、勝新太郎、渡哲也、初代・林家三平、松本清張、阿久悠氏、船村徹、雪村いづみ、美空ひばり、都はるみ、小沢昭一、森光子、森繁久彌(敬称略・本書掲載順)【本書に登場する番組】『夢であいましょう』、『テレビファソラシド』、『トンコは出勤5分前』、『八大朝の歌』、『8時だヨ!全員集合』、『ステージ101』、『この人…ショー』、『歌え!ヤンヤン!!』、『ビッグショー』、『Time21』、『アフタヌーン・ショー』、『サザエさん』、『スーパースター8★逃げろ!』、『民放ラジオ30周年記念特別番組』、『NHKニューイヤーオペラコンサート』、『朝からどうもすみません』、『小沢昭一の小沢昭一的こころ』、『今晩は森繁久彌です』、『放送の休日』、『わが心の愛唱歌大全集』【目次】オープニング■六・八・九の話永六輔さんと私中村八大さんと私坂本九と私■グループの人たちの話『見上げてごらん夜の星を』と私『8時だヨ!全員集合』と私『ステージ101』と私■テレビと女優の話黒柳徹子と私杉村春子と私二人の高峰さんと私■アイドルたちの話『歌え!ヤンヤン!!』と私キャンディーズと私中三トリオと私■歌う映画俳優の話加山雄三と私石原裕次郎と私小林旭・鶴田浩二と私勝新太郎と私■ドキュメンタリーの話夫婦船【めおとせん】と私ナガサキと私入江侍従長と私■無念残念な話『サザエさん』と私歌川広重【ひろしげ】と私『スーパースター8【エイト】★逃げろ!』と私■視聴率・聴取率と関係ない話『民放ラジオ30周年記念特別番組』と私『NHKニューイヤーオペラコンサート』と私初代・林家三平と私■「芸能人」ではない人たちの話松本清張氏と私阿久悠氏と私船村徹氏と私■特に記しておきたい三人の女性歌手の話雪村いづみと私美空ひばりと私都はるみと私■影響を受けた俳優の話小沢昭一と私森光子と私森繁久彌と私■『放送の休日』の話『わが心の愛唱歌大全集』と私エンディング
タブー一切なしの衝撃的「天皇論」。ベストセラーシリーズ『天皇論』の小林よしのりと、『国民の天皇』で大佛次郎論壇賞を受賞し、近著『天皇と日本人』でも論議を巻き起こした米国の日本研究者ケネス・ルオフが、天皇・皇室を巡る問題を大激論!「そもそも神武天皇は実在しない」から始まり、「天皇が韓国に行ったならば」「大嘗祭は国費でやるべきか」「天皇に人権はあるのか」「外国人労働者と天皇」「昭和天皇に戦争責任はあるか」「ハーフの天皇はありか?」などなど、日米の論客がタブー一切なしで語り合った衝撃的かつ、まったく新しい「天皇論」。2人の激しい論戦から、新しい時代の天皇と皇室、そして新しい日本のかたちが見えてくる!
世界の果てに発見! こんなところに中国人。中国本土14億人。世界の華人6000万人。中国人観光客1.5億人。分け入っても分け入っても中国人はそこにいる――。では彼らはその地に何をもたらしたか。ケニア、ルワンダ、カナダ、NY、タイ。大宅賞作家がもっと分け入る!◎主な内容アフリカど真ん中に出現した「紅い帝国」――ルワンダ・キガリ‘中華鉄道’で味わうサバンナ紀行――ケニア・ナイロビ秘密結社チャイニーズ・フリーメイソンを直撃!――カナダ・バンクーバー中国農村版マッドマックス――広東省掲揚郊外元ニート、中国一の恐竜博士になる――北京民主活動家のアジア潜行2000日――タイ・バンコク国際指名手配・郭文貴、かく語りき――アメリカ・ニューヨーク世界に広がる「中華システム」を炙り出す弾丸ルポルタージュ7連発!(2019年10月発行作品)
あの芸人にも読ませたい。吉本闇営業問題で分かったことは、今の日本人はあまりにも「反社会的勢力」に対する理解が浅いということだ。反社とは何か、暴力団とは何か、ヤクザとは何か。彼らと社会とのさまざまな接点を通じて、「教養としてのヤクザ」を学んでいく。テーマは、「ヤクザとメディア」「ヤクザと食品」「ヤクザと五輪」「ヤクザと選挙」「ヤクザと教育」「ヤクザと法律」など。その中で、「ヤクザと芸能人の写真は、敵対するヤクザが流す」「タピオカドリンクはヤクザの新たな資金源」「歴代の山口組組長は憲法を熟読している」など、知られざる実態が次々明らかになっていく。暴力団取材に精通した二大ヤクザライターによる集中講義である。
2020年にマイク生活55周年を迎える高嶋ひでたけ氏が、レギュラーとして47年ぶりに「オールナイトニッポン」に月に一回、日曜の深夜に登場しています。これまでの自身の体験や経験、そして交遊録をふんだんにトークし、懐かしい名曲も数多くオンエアされています。番組のもう一つの魅力は、高嶋氏ならではの厳選で選ばれる意外なゲストです。本書は2019年6月9日(日)の深夜の放送でゲスト出演された作家・佐藤優氏の対談を完全収録しました。佐藤氏の生い立ちから最新の世界情勢までを120分間、語りつくした珠玉の対談本です。発行 株式会社 ニッポン放送発売 株式会社 扶桑社
2014年12月以来、府中刑務所に収監されていた六代目山口組の若頭が今秋、社会復帰する。「六代目山口組」の分裂も、若頭の社会不在を狙って起こったともされる。キーマンの現場復帰は令和元年の極道界を揺らすことは間違いない。現役最晩年に弘道会入りを模索した筆者が知るその盤石の組織体制。3つの山口組はどうなるのか――「山口組」に「名古屋式」を持ち込んだ人物は本当に若頭だったのか――七代目体制に向かう組織の全容と分裂の今後が綿密な取材によって明らかになった。キーマンの出所が令和元年の極道界に激変をもたらせる。
座右の銘を聞かれたら、迷わず「継続は力なり」と答えます。なぜならば、私は小野二郎という人を一番近くでみてきましたから。――小野禎一鮨の名店・銀座「すきやばし次郎」で、現在93歳、世界最高齢の三ツ星料理人・小野二郎とともにつけ場に立つ長男・禎一(よしかず)のロングインタビュー。幼少時代の思い出から、人生の岐路と選択、鮨職人という仕事、天才といわれる父・二郎との関係をありのままに語った半生記は、期せずして出色の職人論・仕事論ともなっている。
減少傾向にあるといわれる犬の殺処分。しかし、現実はいまも1万弱もの犬が毎年殺処分されている。中でも「老犬」を捨てる人は増加傾向にあるという。そんな実態と命を救う術、命の尊さを伝える写真ルポルタージュ。
インバウンドの増加は、旅行者による消費拡大という恩恵をもたらす一方、マナー違反や環境破壊、住宅価格の高騰などの副作用も生んだ。それが「オーバーツーリズム」=「観光公害」である。観光公害に見舞われる京都に住み、大学で「観光学」を教える著者は、日本各地のみならずヴェネツィアなど海外の観光地にも足を運び、徹底したフィールドワークで観光公害の実態と解決方法を提示する。
平成の30年間で日常生活に欠かせないものになったインターネットだが、アンダーグラウンドな世界も広がっている。出会い系サイトやSNSによる売買春、ネットストーカー、仲間を募った集団自殺。裏サイトの誹謗中傷やいじめ、闇サイトの違法・脱法ドラッグ売買。しかし孤独の沼に沈む人にとって、そこはライフラインでもある。誰が読むともしれない日記をつづり、自殺志願者が語り合う。顔が見えないからこそ、本音をさらけ出せる居場所になる。新しいメディアと個人のかかわりを取材するジャーナリストが、その背景と変化を追う。
昭和11年、福岡県小倉市の石工業の家に生まれた著者。傘寿を迎えた年、ガンで手術を受けたことをきっかけに思い立ったのが、自分の人生を一冊にまとめることだった。吃音に悩まされた小学生。生涯にわたる趣味に出会った大学生。環境や医薬の課題に向き合い続けた社会人――。振り返ると、嬉しいことばかりでなく、苦しいことや悲しいこともそれなりに経験してきたが、いつも欠かさず持ち続けてきたのが「楽しむ心を忘れない気持ち」。今を精一杯生きてきた著者の、人に愛される秘訣がたくさん詰まった80年の物語は、忘れかけていた大切なものをそっと教えてくれる。