★雄鶏社のあの名著が新図案を追加して復刻されました! 19世紀も終わろうとするころに、西に東にヨーロッパの各地をめぐり、刺繍の見本を集めていた女性がいました。 その名をテレーズ・ド・ディルモンさん。 今はなくなってしまったDMCミュルーズ美術館に、彼女のコレクションが保存されていました。 小さな台帳にまとめられ、その端には出所を明かす名が書き添えられています。 もしや、国宝級のお宝が・・ ? あるかもしれない。 その台帳の中からクロスステッチで刺せるフォークロア刺繍を選び出し、ひとつひとつの模様をサンプラーに刺しおこし、図案ともに紹介したのがこの本です。 ブルガリアのかわいい花の連続模様、ポーランドの素朴で力強い連続模様、コーカサス地方の刺繍には聖樹「生命の樹」が並びます。 花柄や幾何学柄の連続模様は多種多様です。 クジャク、太陽、ぶどう…、信仰や自然に由来する模様もたくさんあります。 国ごとに違う模様の多彩さがフォークロアの大きな魅力ですが、もうひとつ見逃せないのが伝承されてきた、そのテクニックです。 たとえば、モラビィアの古いシュミーズに用いられていた柄(p32)は、クロスのまわりを三つ編み風スラブステッチで埋めつくすものだそうで、あまり知られていないこうした工夫がまた、かの地の刺繍をさらに面白くしているのかもしれません。 ★本書は旧版『クロスステッチ フォークロア』(2005年 雄鶏社刊)に16ページを増やし、新模様20点とテクニック解説を新しく加えて上梓しています。 東欧をはじめトルコや西アジア地域ほかを含む13カ国150余点の模様を収録。 下田直子さんや6名のデザイナーによる作例も掲載。 模様にまつわる周辺情報も紹介しています。 フォークロア・テイストはモードの世界でも人気です。 お気に入りの模様をスカートの裾やマフラーのデザインにしてあしらうと、旬のおしゃれが楽しめます。 【作品制作】下田直子(手芸作家)、勝屋まゆみ(デザイナー)、若山夏子、平山良佳/nooy(ファッションデザイナー)、三園麻絵(ファッションデザイナー)、野木陽子(ファッションデザイナー) 【刺繍制作】大塚あや子(刺繍作家)、西須久子、伊東保子 、奥村美紗子、吉川真理子(ともに刺繍家) 【文】小宮真喜子(もと文化学園服飾美術館学芸員)、吉村葉子(日仏生活文化研究家) 【英訳】杉本まゆみ 【テクニック監修】西須久子、伊東保子 【刺繍コレクション】Therese de Dillmont(テレーズ・ド・ディルモン)