日本人は二つの日本語を使い分けている。<br />古来受け継がれてきた日常の「話し言葉」に対し、外国文化を直訳し理解するために作られた人工の「書き言葉」。<br />よい文章を書くには、その決定的な違いを知ることが不可欠だ。<br />句読点や段落の切り方、語感の豊かな言葉選び、文末語の変化が生み出すリズムや余韻――。<br />言文一致という幻想を疑い、ホンネとタテマエの文化的二重構造に切り込む。<br />近代日本語の誕生から解き明かす異色文章読本。<br />