路上の伝説
ある日、先輩から連絡が来た。
――抗争になる、お前の力が必要だ。
隣街の暴走族との総力戦。
中間地帯に集められ、俺たちは対峙した。
全員で激突したら、どちらが勝っても共倒れになってしまう。
総長同士で話し合った。
その結果、一番強い奴同士だけで決闘させて、それで勝敗を決することになった。
行くのはお前だと、指名されたのが俺だった。
俺はまだ無名の喧嘩自慢。
暴走族にも入ったばかり。
けれどそんなこと関係なかった。
強い奴とやれるなら、相手は誰でもよかった。
顔も名前も知らない、敵の族の代表と対峙する。
始まるや否や、飛びかかってくる相手の顎に、俺は左フックを打ち込んだ。
そのたった一撃で相手は失神し、二つの族の全面抗争は一瞬で終結した。
――その日から、俺は’路上の伝説’と呼ばれるようになった。
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