ラストパス 引退を決断してからの5年間の記録
<<「40歳で引退する」ということを35歳の時に決断してから歩んできた5年間の記録>>朝、家を出るときから今日こそ伝えようと心に決めていた。
妻の加奈子にも「今日、話そうと思っているから」と言ってクラブハウスに向かった。
あの人に伝えることで、’すべて’が動き出す。
そう思っていたからだ。
2020年10月23日――久々にもらった連休が明け、練習が再開された日のことだった。
僕にとっては、ずっと指標にしてきた40歳の誕生日を1週間後に控えていた。
(中略)この5年間で僕は数え切れないほど、本当に、本当に多くのものを手にすることができた。
それはタイトルという星の数だけでは測ることができない。
その過程にはすぐに思い出すことができる栄光や歓喜もあれば、誰にも言えないような多くの葛藤や苦悩もあった。
振り返れば、プロサッカー選手として過ごした18年間で経験してきたすべてが、かけがえのないものだったと、先のステージに進んだ今、改めて言い切ることができる。
だから、そのすべてをここに綴りたいと思う。
僕が過ごしてきた18年という日々が、誰かの、何かの力になるならば、というメッセージを込めて――。
(本書「プロローグ」より)【目次】プロローグ第1章 2016年第2章 2017年第3章 2018年第4章 2019年第5章 2020年第6章 2020年最終章エピローグ
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