私は興奮しながらも、いったん唇を離し、自分の布団に戻って考えた。<br />これ以上してもいいのか? だが、心配は無用と考えた。<br />だって、向こうから舌を絡めてきたのだから……。<br />決心した私はランニングを脱ぎ、パンツ一枚の姿で八重子さんの唇に吸いついた。<br />再び、八重子さんが舌を絡めてくる。<br />甘酸っぱい唾液を存分に味わったあと、私は八重子さんの掛け布団をはがした。<br />――(「よばい」より)「性ノンフィクション大賞」受賞作の中から11篇を収録。<br />