自閉症の画家が世界に羽ばたくまで
重度の自閉症だった息子が、フランスの美術展で受賞し、画家として活躍。
その陰には、40歳でがんで他界した妻の献身的な「療育」があった。
亡き妻の遺志を継いだ父親の子育てが花開いた感動の物語。
NHK「おはよう日本」(5月2日放送)特集で話題に!フランスの美術展(新エコールドパリ浮世・絵展)で版画作品が優秀賞に輝いたのを機に、 各地で個展を開くたびに入場者数記録を塗り替えている、愛媛県在住の画家・石村嘉成氏。
生後2歳で自閉症と診断され、暴れる、泣きわめく、発語がないなど、手の付けられない 嘉成氏をどうやれば社会に送り出せるか、と苦悩した両親による必死の子育てが始まる。
小学校では普通学級に通わせる代わりに、毎日教室で授業に付き添うなど、すべてを息子の 「療育」に捧げた母親・有希子さんは、嘉成氏が11歳のとき、がん闘病の末に他界――。
遺された夫の和徳氏は、妻の想いを継ぐべくシングルファーザーとして息子の療育に励み、 中学高校と普通学級に通わせ、高校3年間は無遅刻無欠席、父子一緒に自転車で登下校した。
高校3年の絵画の授業で版画にめざめた嘉成氏は、創作意欲を発揮して、大好きな動物や 生きものたちの姿を次々と作品に仕上げていく。
母親が遺してくれた動物のビデオや絵本が、 今でも嘉成氏の創作のモチベーションになっているのだ。
一見、順風満帆にもみえる嘉成氏の成長だが、暴れる息子を前に「我が子を暴君にしない。
親が子どもの奴隷にならない」という、壮絶な覚悟の「療育」が今でも続いている。
本書は、40歳で他界した妻・有希子さんが遺した胸を打つ日記も多数掲載。
「この記録を 社会のために役立てて」と妻が言っている気がする、と語る和徳氏。
夫婦の25年にわたる 苦闘の記録は、子育てに悩める人々に様々なヒントを与え、希望の書となることだろう。
★目次より[はじめに] 石村和徳四六時中息子に向き合った妻の信念が子育てに悩める人への激励となれば【1章】自閉症の宣告「療育」での意識改革【2章】母の献身、付き添い授業そして死別……【3章】父が背負った「療育」変わった息子【4章】父と子でがんばる喜び人生を変えた版画【5章】アートで自立の道母の想いは永遠に[おわりに] 石村和徳「この記録を社会のために役立てて」と妻が言っている気がしてきたのです 石村嘉成 アーティスト活動歴&受賞歴
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