私は30年以上にわたって毎年のように西洋の美術作品を巡って歩いてきたが、美術作品も、それが位置する場所の力と相まってオーラをまとうようである。<br />(中略)無数の眼差しが注がれてきた美術作品は、巡礼者の信仰を吸収した聖遺物と同じく、膨大な人々の情熱と歴史を宿し、あるべき場所で輝きを放っているのである(「まえがき」より)。<br />イスラエルで訪ね歩いたキリストの事蹟から津軽の供養人形まで、本質を見つめ続けた全35編。<br />