本書は白井松次郎と大谷竹次郎の「松竹」兄弟と東宝、宝塚を含む阪急グループの創業者の小林一三の物語である。<br />劇場の売店の子と裕福な商家に生まれた慶應義塾卒という対照的な両者は看板役者、大劇場をめぐって数十年のあいだ、しのぎを削る。<br />それが現在の松竹による歌舞伎の独占、阪急グループの東宝、宝塚の繁栄につながっていく――。<br />膨大な資料を読み解いて描き出した、新たな演劇史。<br />