本書は、今やアメリカ史上最悪の麻薬問題となっているオピオイド蔓延の実態を余すことなく描いたドキュメントだ。<br />「夢の鎮痛薬」として大々的に宣伝されていた処方薬のオキシコンチンの被害について、欲深い製薬会社と堕落した医師との癒着、後手後手に回った行政、そして多勢に無勢を覚悟で問題に立ち向かう被害者の遺族や地域のボランティアたちの姿を、著者のメイシー氏が5年にわたる取材で克明に記録したものである。<br />