広島と長崎で、二度被爆した人がいる。<br />戦後60年以上沈黙を保ってきた著者が93歳になり、重い口を開き語る半生。<br />軍部の「正義」に疑問を持ちつつも、造船技師として派遣された広島で被爆し、命からがら逃げ帰った故郷長崎で二度目の被爆。<br />戦後は米軍の通訳や英語教師として、原爆症と闘いながら必死で家族を守り続けた男が息子を原爆症で失った今考える「あの戦争」とは何だったのか。<br />被爆者からのあまりに貴重な証言。<br />