佐賀藩士、牟田文之助は23歳で鉄人流という二刀流の免許皆伝を授けられた剣士である。<br />嘉永六年(1853)、24歳の文之助は藩から許可を得て、2年間にわたる武者修行の旅に出て、「諸国廻歴日録」という克明な日記を残す。<br />この日記を読むと、命がけの武者修行というイメージが覆される。<br />