徹底した守銭奴アルパゴンを主人公にしたモリエール晩年の喜劇。<br />今日では「タルチュフ」についで最も上演回数が多い。<br />「泥棒、泥棒!」で始まる第四幕の最終景は、金貨を盗まれて狂乱するアルパゴンの一人芝居の見せ場で、主人公は、観客に訴えかけ、観客の視線、観客の笑いに恐怖を抱く。<br />モリエールはここで劇場全体を舞台空間にしてしまっている。<br />