ローマへの憧れはゲーテにとっては一種の熱病であった。<br />「第二次ローマ滞在」で発見したローマは「歳月に移りゆくローマ」ではなく、「永続するローマ」であった。<br />ゲーテはそこに自己の理想を投影し、「土地に深く根をおろした生活の報告」を卓抜した筆致で書きつづる。<br />「イタリア紀行」発表後、十年の歳月を経て(ゲーテが世を去る二年前)公刊された続編。<br />