バブルの王様
トランプタワーを買い占めた日本人。
トランプタワーを買い占め、ジャパンマネーの力を世界に見せつけたその男は、バブルという時代を牽引し、そしてただひとり生き延びた。
街金融アイチ会長、森下安道。
洋服の仕立屋からのし上がり、貸付総額1兆円超のノンバンク・アイチを率いた彼は、ゴルフ会員権というビジネスモデルを考案、さらに世界の絵画取引に売って出て、世界的オークション会社の個人筆頭株主にまで名を上げた。
その繋がりは政界から暴力団まで幅広く、桁違いの資金力に、時のバブル紳士たちも惹きつけられた。
「蝶ネクタイの会社乗っ取り屋」「兜町の風雲児」「地上げの帝王」……森下は彼らの裏で「イトマン事件」をはじめ数々の経済事件に関わりながら、ただひとり時代のあだ花で終わることなく生き残った。
まさに彼こそはバブルの王様と呼ぶに相応しい。
知られざるその生涯を通じて、狂乱の時代を総括する。
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