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絶望している暇はない?「左手のピアニスト」の超前向き思考?

奇跡のピアニストが奏でる35の言葉。
‘左手のピアニスト’として知られる舘野泉。
80歳を超える今も、国内外で年間50回近くのコンサートを行う現役の奏者である。
舘野泉の身に異変が起こったのは、2002年1月のことだ。
在住するフィンランド・ヘルシンキでのリサイタル中、脳溢血で倒れ、右手の自由を失ってしまう。
しかしわずか2年のち、左手だけで演奏を行うスタイルで復帰を遂げたのだ。
『目の前に大海原が現れ、うねり、ぶつかり、音が香り、咲き、爆ぜて飛沫をあげているような、そんな感覚になりました。
ピアノに向かうと、左手一本で弾いているのに、音が立ち上がってきた。
僕の前に、「左手の音楽」という新しい世界が開けてきました。
自分はこれでまた、変わらず音楽ができる。
僕を閉じ込めていた厚い氷が融け、一瞬にして光溢れる世界に戻って来たのです』(本書より) 舘野泉は、どんなときも絶望しない。
むしろ、不自由や困難があっても、それは自分の知らないこと――つまり、新しい体験だから面白いのだという。
長期に及んだリハビリですら心の底から楽しんだと語る、舘野泉の言葉は、常に前向きで、新しい世界に対する好奇心にあふれている。
※この作品は一部カラーが含まれます。




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