がんに生きる
がんを前向きに考えれば、違う世界が見える。
今や2人に1人が罹ると言われるがん。
かつてのように「不治の病」ではなく、早期発見すれば完全寛解するものも多い。
本書は数多あるがん治療体験記だけではなく、いかにがんという病をポジティブに考えていくという趣旨だ。
著者は2度のがん闘病を経験した直木賞作家で、自らの体験から得た「哲学」といってもいい。
がんをただ恐れるのではなく、「がんという病を抱えたもう一人の友人を見つけた」と考えて、あらゆることをその「友人」と相談しながらやりたいことができる。
そう考えれば「がんは人を成長させる」し、新たな目覚めのチャンスを得たともいえる。
人生喜怒哀楽、いろいろある。
その人生を実人生とだけ考えてしまうと愛憎が入り交じったものになるし、苦悩さえ残る。
著者にしても良いばかりの人生だけではなく、実の兄が事務所の金や印税を使い込み、借金漬けにされてしまったこともあった。
でも、夢だと思えば、苦しみでさえ夢だから、残るのは楽しい夢の感覚しかないという。
そう、人生を夢だと思えば何も恐れることはない。
諦めるのではない。
「がんになった。
さあ生きよう!」と前向きに病と闘えばいいのだ。
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