大倉集古館、大原美術館、根津美術館など、実業家の蒐集品を展示する人気美術館は多い。<br />その一方で、設立の夢を果たせなかった美術館があったことをご存知だろうか。<br />本書はそれを、「幻の美術館」と呼ぶ。<br />紹介する五館は、質量ともに十分なコレクションを所蔵。<br />蒐集した実業家たちも公開をめざしていた。<br />頓挫した背景にはいかなる事情があったのか? 夢が叶っていたら、どんな美術館になっていたのか? わずかに残されていた貴重な資料をたどり、その全貌を明らかにする。<br />美術・歴史愛好家、垂涎の一冊。<br />