共立講座 数学の魅力
近年注目を集めているビッグデータという言葉に代表されるように、データのもつ価値についての認識はますます高まっている。
さらに、自然科学分野から社会科学の分野、さらには政府関係の様々な施策に至るまで、データに基づいた意思決定の大切さが認識されている。
数理統計学は、(ランダムネスを伴った確率現象として現れる)データの背後に確率モデルを想定して推測を行うための土台となる、数学的基礎を提供する。
本書は、数理統計学に関する基礎的な内容はもとより、近年広く利用されている現代的な内容までを盛り込んだテキストである。
最初に、統計的推測を行う上で必要な確率・確率分布の基本的な事項を説明する。
次に、最初に準備した道具立てに基づいて、確率分布に関する推測方法を説明する。
ここまでにおいては、必要な知識をシンプルに解説し、また内容の理解を深められるように、演習問題を豊富に盛り込んでいる。
最後に、最も役に立つ統計モデルの1つである線形回帰モデル、点推定を中心とした推定の不偏性や不変性などのリスクに基づいた最適性の理論、MCMC法・ブートストラップ法・EMアルゴリズムなどの計算統計学、そして代表的な確率過程といった発展的な内容を扱う。
初歩的な内容から始まりながらも、最後には現代的な内容まで到達することができる。
初学者から意欲的な読者にまでおすすめできる、非常に内容豊富なテキストである。
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