「顔色をうかがう」「顔に出る」「顔を突き合わせる」――顔は身体の一部であるとともに、「他者と共に在る」ことを可能にしている器官でもある。<br />顔の不在を物語る村上春樹や多和田葉子の作品から、他者と向き合う困難と可能性を描き出す文学批評。<br />