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次世代エネルギーの最終戦略

今や再生可能エネルギーの二大市場で技術立国・日本の存在感はないに等しい。
米国が競争力をつけ、中国が台頭する風力発電では下位の世界シェアに甘んじ、かつての世界トップから転落した太陽光発電では引き離されるばかりだ。
その一方で、日本がここ数年で一気に傾斜してきた原発依存体制は、福島第一原発の事故によって崩壊してしまったといっていい。
だが、それでも日本はまだ敗戦したわけではない。
なぜなら、いまわれわれはエネルギー産業の分野において、通信市場でインターネットが登場した時代と同じような時代の転換点にいるからだ。
つまりシステムの起点が大型発電所から需要家へと180度ひっくり返る。
この新システムを需要家主導のエネルギーシステム(DEmand Side Driven Energy System=DES2=デスツー)と呼び、本書で詳細に論じるDES2の下では、各戸に太陽光発電を搭載したニュータウン建設によって、近隣コミュニティがメガソーラー並みの発電所となることも可能になる。
発電量の昼夜変動もICTを駆使したマネジメントシステムで乗り越えられる。
個人におけるスマートフォンのように、世帯におけるスマートハウスとなった住宅がさまざまなビジネス機会を生み出すようになる。
あるいは再生可能エネルギーの導入によって、地方に新しい産業を興すことも可能になる。
大震災以降の日本を復興するためには、復旧だけではなく、未来を拓く新しい産業の創造が必要である。
それも原発事故でエネルギー問題に苦悩する日本が、それに立ち向かい、エネルギー分野の大転換を捉えて成長産業を生み出すことができれば、日本の不滅の活力を改めて世界に知らしめることになるだろう。




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