私たち、まだ人生を1回も生き切っていないのに
はるな檸檬氏、感涙! 最初の自殺未遂から30年。
誰よりも人付き合いが苦手だったあの頃。
「大丈夫?」「大丈夫だよ」 湿った暖かい手を握り、私たちはそっと歩き出す。
「孤独だったんですね」その言葉を耳にして、私は喉の奥に何かが詰まり、次の言葉をつなげなくなった。
自分が孤独だということは薄々感じていたけれど、それを認めたくなかったのだ――いじめに遭っていた子供の頃、ペットのインコが友達だった。
初めてできた恋人には、酷い扱いを受けた。
たくさんの傷を負い、何度も死のうとしたけれど、死ねなかった。
そんな私をここまで生かし続けたものは何だったのか。
この世界には、まだ光り輝く何かが眠っているのかもしれない。
そう思えた時、一歩ずつ歩き出すことができたのだ。
どん底を味わった著者が、人生で出会った人たちとの交流を見つめなおし、再生していく過程を描いた渾身のエッセイ。
「人生はクソだ。
それでも生きてさえいれば、いつか必ず美しいものに巡り合う。
そういうふうに、できている」――はるな檸檬氏
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