DVDで手ほどき 茶道のきほん 「美しい作法」と「茶の湯」の楽しみ方 新版 【DVDなし】
本書のカバーや内容にはDVDに関する記述がありますが、電子書籍版にはDVDは付属しておりません。
ご了承いただきますようお願い申し上げます。
間違えないことよりも、心をこめること。
形式よりも、自分らしくもてなし、愉しむこと。
まずはイロハから・お茶会にお呼ばれしたら・茶室での振る舞いや所作・お茶席での会話もっと広がるニホヘト・茶事と道具のいろいろ・和菓子との深い関係・自宅で楽しむお点前茶の湯には日本の美、日本人の心が詰まっています今からおよそ1300年前に中国から伝わった茶ですが、それから約400年後に栄西禅師により佐賀県の背振山に茶の樹が植えられ、抹茶法が伝えられたころから、一般に飲まれるようになったといわれています。
抹茶法とは、茶碗に直接茶の粉を入れ、これに湯を注いでかき混ぜて飲む方法で、今の薄茶に近い飲み方と思われます。
その後、幾多の茶人の手を経て、千利休によってわび茶が大成されました。
茶の湯は、「一服の茶を飲む」ことを目的としながらそこには日本の美、日本人の心に出会うことができます。
それはまるで美の玉手箱です。
今日は、その玉手箱を開けてみることにしましょう。
まず、目にするのは「自然の美」でしょう。
露地に、一輪の花に…。
『利休百首』に「花は野にあるように」という言葉があり、花はつぼみをいけ、野にあるがごとくに露をおき、茶会が進むにつれて花は開き、最高の美の瞬間を見せます。
茶室という小さな空間の中で、一輪の花の命の輝きにふれながら、お茶をいただきます。
そして、「道具の美」です。
茶碗、茶杓、釜…。
茶の湯に使われる道具は時代を映し、様々な茶人の手を経て伝えられてきました。
茶碗も年月を重ねると、例えば、茶が貫入に染み込み、これが味わい深い景色になり目を楽しませてくれます。
濃いグリーンの茶をを回し飲みすると、一味同心。
陶工からのメッセージが伝えられ、心がひとつになる充実感がもたらされます。
茶室という空間には派手さも豪華さもありませんが、吟味された自然の素材がさりげなくつかわれ、美しく見せる工夫が凝らされています。
こうした「室礼の美」にも感動します。
光と陰の美しさも見逃せません。
光を遮った空間でいただくお茶は、心に落ち着きをもたらしてくれます。
まだあります。
茶を点てる「所作の美」です。
ひとつひとつの動作には美しい型があり、その動作がおいしい茶を点てるにつながるのです。
最後に美の玉手箱で見つけたのが「亭主と客でつくる美」です。
亭主はかけがえのないひとときを大切に、真心を込めて準備をし客を迎えます。
客は亭主のもてなしに礼をもって応えます。
一服の茶を通して、美を分かち合い、美をつくっていく。
それが「茶の湯」です。
1章 茶会へ行こう2章 道具を楽しもう3章 茶会を開こう※ 本書は、2014年発行の『DVDで手ほどき 茶道のきほん 「美しい作法」と「茶の湯」の楽しみ方』の新版です。
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