熱学思想の史的展開
「エントロピー」の誕生は難産だった。
熱の動力をめぐるカルノー以来の苦闘をへて、熱力学はやがて第1法則と第2法則を確立し、ついにエントロピー概念に到達する。
マクロな自然の秘密を明るみに出したそのエントロピーとは何か。
「エネルギーの散逸」とのみ捉えられがちな誤謬を正しつつ議論は進む。
第3巻は熱力学の完成とその新たな展開。
マクスウェル、トムソンらの寄与とクラウジウスの卓抜な総合化、さらにギブズの化学平衡論により制約因子としてのエントロピーの本性が明らかとなってゆく。
論文・書簡を含む多くの原典を博捜して成った壮大な熱学史。
格好の熱力学入門篇。
全3巻完結。
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