ある日、名古屋駅裏を歩いていた著者は、一軒の建物が取り壊されようとしている場に出くわす。<br />それが中村遊廓の成駒屋だった。<br />その場に残された家財道具を手掛かりに、著者は遊廓の実像を求めて、多くの人から聞取りを始める。<br />大正から昭和の隆盛期、さらには売春防止法以後の関係者たちはどう生きていったのか。<br />読書史上に残る名著文庫化。<br />