芸術にも科学を──。<br />20世紀はじめに‘抽象絵画’の概念をいち早く提唱し、絵画作品の新局面を切り開いたカンディンスキーが試みたのは、絵画の構成要素を徹底的に分析し、理論的・科学的に吟味することだった。<br />点や線がもつ本源的な力を把握すること。<br />そうしてこそ、それらが平面の上に置かれたときに相互に共鳴し合い、生きた作品としての‘コンポジション’が実現するのだ。<br />絵画にとどまらず、さまざまな造形芸術に大きな影響を与えた古典的名著。<br />