思想の中の数学的構造
レヴィ=ストロースが‘発見’した親族の基本構造は、まさに現代数学の「群論」そのものであった。
それは20世紀の構造主義が、ヨーロッパの正統の流れを、すなわち古代ギリシアにおける思弁と数学の幸福な結合を、現代に‘再発見’したことを意味した。
そこから見えてくるものは何か。
プラトンのイデア数、ライプニッツの予定調和説、カントの認識論、ヘーゲルの解析学/歴史観、ニーチェやオルテガの遠近法主義、フッサールの現象学、さらに、中国周代の易に見る二進法、孟子における階級と関数概念など、精緻な数学的アプローチと該博な知見から生みだされた、ユニークな比較思想史的論考。
更新中です。しばらくお待ちください。