代数的構造
よく似たしくみをもつもの同士を同じものと見なす「パターン認識」。
それは数学的な構造としては20世紀に深化発展した。
数や多項式、関数などから、群・環・体などの有用な構造が取り出された。
本書は抽象代数の基本概念を、歴史的背景をおりまぜつつ、ていねいな叙述でひもとく。
随所に登場する卓抜な比喩は理解を助け、ガロア理論の意味まで望見させる。
「体Σ/Kは地上に生えている大木に似ている。
……基礎体は木の根に当たる。
ガロア群は木を揺さぶる外からの力に比べられる」「秘密を探るのに、まずそれを揺さぶってみる……ここにガロアの理論のもつ射程の大きさがある」と。
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