『コーヒーと恋愛』『七時間半』など‘静かなブーム’を呼ぶ‘獅子文六’とはどんな作家だったのか。<br />横浜での裕福な子供時代、パリ留学、演劇人、時代を射抜く批評性、根は優しいが辛辣な皮肉屋、大男で食いしん坊、そして運命的な三度の結婚。<br />戦前と戦後の‘二つの昭和’にときに翻弄され、ときに寄り添った人生を精細に追いかける唯一の評伝の文庫化。<br />再評価以降の動向も踏まえた原稿も収録。<br />