その言説のほぼすべてが出揃った今こそ、読み直さねばならない──。<br />ミシェル・フーコーの探究は、知・権力・自己との関係という三つを軸に、多様性と絶え間ない変貌によって特徴づけられる。<br />そうした彼の言説群を貫いて存続する「フーコー的」なものがあるとすれば、それはいったい何か。<br />前史ともいえる50年代のテクストから『性の歴史』第四巻『肉の告白』まで、精確な読解によって思考の全貌が明らかにされる。<br />フーコー研究・翻訳の第一人者による待望の書。<br />