フロイト精神分析を構造主義的に発展させ、20世紀の思想潮流にあって、確固たる地位を占めたラカン。<br />本書は、ラカン最初期の1930年代に発表された五篇の論考を収録。<br />「症例エメ」「≪吹き込まれた≫手記」「パラノイア性犯罪の動機」の三篇は、症例報告の記録性があり、明澄ですらある。<br />現代思想の巨人の哲学の出発点を探るための必読書である。<br />