グレートジンバブウェの石壁は、蛇のように曲がりくねりながら、多数の入り組んだ空間を作りだしている。<br />直線や直角を嫌い、規則とか定型の類を退けるその姿は、思わずポストモダンと形容したくなるほど、乱雑、気まぐれ、あいまいであって、かつまた、のびやかで優雅な雰囲気をたたえている。<br />(中略)個人の居住空間のかたちは、内部分割に適した四角形になるという必然から自由である。<br />――本書より