太平の世にあって歴戦の老将は過去をかえりみ、わが亡き後の家の安泰に思いをめぐらす。<br />側近く仕えた小姓の筆が伝える、死に臨んだ「独眼竜」の深き慮りと愛する者たちへの別れの作法。<br />政宗に近しく仕えた小姓・木村宇右衛門可親が主君の言行を記録した『木村宇右衛門覚書』を読み解き、武人の最後の日々を描き出す。<br />